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2019-01-17 14:22:27
【泣ける住宅購入】私は「黒子」である
お客様の人生に波風立てない。
感動も涙も必要ないと粛々と住宅を販売する業界20数年のベテラン営業マンのお話






感情の起伏がなく、穏やかそうな人。私をそう表現する人がいる。私からすれば、平穏に平凡に粛々と効率よく仕事をしているだけだ。波風が立たないように気をつけているだけだ。

20数年不動産業界にいる私にも若い頃から“とんがった部分”があって、今は隠しているだけにすぎない。わがままなお客様、聞く耳を持たないお客様にはそんな部分が過剰に反応してしまうのが嫌だからだ。

はじめこそ“お客様のため、契約のため”と割り切り、お客様にとってのベストを追求したが、経験とともにそれは間違いだということに気づいた。手間がかかるばかりで購入意欲もさほど高くない“擬似客”が多かったからだ。とはいえ、それも経験による感覚があってのことなので、見込み客と擬似客の線引きをうまく説明できないのが残念なところでもある。

20代の頃の成約率は1割程度だった私も、20年を経て4割を超えるようになった。では、いったいどんなことをやってきたのか・・・。その一部を少しだけ紹介しようと思う。



“集客力のあるポスティング”を行い、“確度の高いお客様”を現地に誘導する。そして、来場したお客様から“質の高いアンケート”を回収する。3つのポイントを抑えるだけで成約率はグンと上がった。利用したのはQUOカードだ。

ハウスプラザが提携する企業のサービスを物件購入したお客様に紹介すると粗品がいただけることがある。粗品と言ってもQUOカードはあなどれない。コンビニ・書店・ドラッグストアなどで使用できる“もらって助かる”粗品だ。私は、「来場者にはQOUカードをプレゼント」とポステイングチラシに記載した。まず行ってみよう!と思わせることがポイントだ。

そして、物件購入を真剣に検討している人、とくに家計を管理する奥様には効果がある。粗品に興味を持ちチラシ内容を確認する。それでいい。物件の存在を認識してもらうことで購入物件の候補となる。さらに、足を運んでくれるお客様の頭の中には物件の情報が詰まっているので、見学中も話が非常にスムーズだ。

また、アンケートの記入をお願いすると、いい加減な記入が減る。連絡先はもちろん、動機や条件など必要な情報を一生懸命丁寧に記入してくださる。粗品目的で来場する人も少なからずいるが、アンケート記入をお願いすればプレゼントすべき人かの判断は容易だ。

集客にはいつの時代も苦労する。家を欲しいと意思を示す見込み客に出会うのは簡単ではない。数撃ちゃ当たるという方法も間違いではない。しかし、いかに効率よく見込み客に出会うかを考えた結果、私はこの方法を2年ほど続けて一定の効果を上げている。



次に必要なことは準備だ。私は様々な資料をタブレットに保存し、できる限りのことは現地で済ませるようにしている。完成物件の場合は、その場で商談し、契約してもらったこともある。ただし、20年以上の経験があってできることなので、必ず店長や上司の判断や指示を仰ぐことが必要だ。

物件資料はもちろん、住宅購入の流れに必要なものはすぐお客様に見ていただけるように準備する。資金計画書も参考資料としていくつか作っておけば、お客様もおおよその判断できるだろう。

物件を紹介して購入意欲が高まっているお客様に考える時間を与えたばっかりに、その気が失せることはよくある。だからこそ、事前の準備をしっかり行い、お客様の購入意欲を最大限に高め、納得していただく努力が必要だ。



そして、必要以上に手間をかけないように心がけている。契約までのお客様は不安がたくさんある。資金計画は大丈夫か。もっといい物件があるんじゃないか。住宅ローンは組めるのか。他にもたくさんあり、そこは徹底的にサポートして安心していただく。

契約後もお客様と打合せや必要書類のやりとりなどで顔を合わせることがある。1回で済む訪問を2回3回と時間をかけて丁寧に進める努力も必要だが、それが通用するのは若い営業マンだけだ。20年以上のベテラン営業マンがそんなことをしていては、お客様も不安を抱き、要領の悪さと面倒臭さを感じてしまうだろう。

お客様がベテラン営業マンの私に求めるものは、“気に入った家を不安なく購入すること”だと思っている。


波風立てず・・・


マイホームが欲しいというお客様が物件を購入できるのは当たり前だと私は思っている。

理想の住宅探しを楽しむお母さん。自分の部屋に喜ぶお子様たち。そんな家族を優しく見守りつつ一大決心するお父さん。お客様の人生に登場する人物はそれだけで十分だ。そこにそれ以上の感動も涙も登場人物も無い方がいいと思っている。

“お客様の人生に波風立てず、必要以上に入り込まない。”

そんなことに気遣いながら20数年、この業界で営業を続けてきた。これが私の営業スタイルだ。