【新刊.jpによる書評抜粋】
営業ほど、各個人の優劣がはっきりと出る仕事はありません。
契約件数や売上金額など、成果が数字に表れてしまうからです。
それだけに、契約を取れない、売上を立てられない営業マンの悩みは深いはず。
本書の著者である斉藤孝安さんは、不動産営業一筋26年、東京の城東地区(葛飾区、墨田区、江東区、
江戸川区、台東区)を中心に約7000軒もの住宅を売り、"城東の虎"の異名を持つカリスマ営業マン。
本書は、斉藤さんが"売れない営業マン"に喝を入れ、
顧客を満足させながら売上を立てる営業の極意を授けてくれる一冊です。
■顧客の要望にすべて"YES"と言うな
斉藤さんは、契約を取れない営業マンにありがちなパターンとして、
顧客の要望にすべてYESと応えることを上げています。
不動産に限らず多くの場合、顧客の要望に全て適う商品などありません。
それをあたかも、100%希望に応えられるかのように説明して、契約に持っていこうとしても、
実態がばれてしまったら破談になってしまいますし、契約が成立したとしても後でトラブルになる可能性もあります。
顧客に夢を見させることはまちがっていませんが、あくまで現実に叶えられるものでなくてはならないと
斉藤さんはいいます。
■深刻な顔で商談をするな
成立すればお金のやりとりが生まれるわけですから、商談では真剣にならざるを得ません。
ただし、あまりに真剣な顔をしていると顧客に威圧感を与え、疲れさせてしまうことにもなります。
商品が高額なほど、顧客は購入を決断するのに思い切りが必要。
その背中を押してあげるために必要なのは、真剣な顔ではなく「スマイル」なのです。
また、斉藤さんは「スマイル」と「真剣な顔」を場面によって使い分けることをすすめています。
商品のいいところやメリットを説明する時は「真剣な顔」で、契約など緊張する場面や、
商品のデメリットを話す時は「スマイル」で臨む、というのは、デキる営業マンの共通点なのだそうです。
■「申し込み」だけで油断しない。
住宅のような高額商品の営業においては、一旦は購入を決断したものの、
その後に「知人に相談する」といい、結局契約を断念してしまうケースは多いのだそう。
自分の決断について知人に相談した結果、「やっぱりやめた」となってしまうのは、住宅販売に限らず起こりうることです。
斉藤さんは、こういった「申し込み後のキャンセル」、あるいは「契約後のキャンセル」を防ぐ方法として、
顧客が購入を決めた後に自己PRをして、営業マン自身を知ってもらうことを挙げています。
そうすることで、顧客は“この人から買いたい”という心理になり、土壇場でのキャンセルを防ぐことに繋がるのです。
住宅購入は多くの人にとって一生のうちで一番高額な買い物であり、何があっても絶対に失敗できない人生の一大イベントです。
当然、顧客は厳しい目で物件を見ますし、簡単には購入しません。
本書には、そんな住宅販売の世界で卓越した実績を残してきた斉藤さんのノウハウがまだまだあり、
悩める営業マン達の救いとなってくれるはずです。
(新刊JP編集部)
「エピソード」が面白い
「36の掟」を裏打ちする一つ一つのエピソードがとても面白く心惹かれて一気に読み上げてしまいました。
この本の魅力は筆者の仕事の姿勢と日常の生きかたの姿勢両方に一本芯が通っていて考え方の軸がブレていないところです。
「家」とのビビっとくる出会いと、筆者のような姿勢の営業の方との出会いが重なれば、人生最大の家族のイベントである
住宅購入のプロセスを楽しむ事が出来るような気がします。(50代主婦)
営業の体幹トレーニングだ!
読みやすい、わかりやすい、面白い本です。
営業テクニックというよりは、もっと骨太な、
精神論・根性論というよりは、もっと具体的な、
営業の体幹トレーニングとでも形容すべき内容。
著者のエピソードもスパイスが効いてます。
新人・中堅・ベテランを問わず、また
不動産営業に限らず、営業の体幹を鍛えて、長く
楽しく営業を続けたい人にオススメです。
私はベテラン不動産営業マンですが、
真面目な話、読んでから営業に行ったら、お客様
に「あなた素晴らしい営業マンですね」って言われ
たんです・・・久しぶりに。(笑&涙)
嬉しかったぁ~(^o^)
イメージが変わりました。
この本を読んで、営業という仕事のイメージが変わりました。
会社、仕事、顧客など、それらに対する姿勢や考え方に感動しました。
簡単なことのようですが、それを継続する難しさ、それに打ち勝つ強さ。
そういったものを得られるような人間になろうという決意を後押ししてくれるような本でした。
この著者の下で仕事をされている方をうらやましく思います。
営業のみならず、様々な職業の方、またプライベートの中でも生かせるような考え方、生き方の詰まった本でした。
著者インタビュー
―本書『住宅営業という修羅場で26年 7000軒売った男が教える勝ち残る営業の36の掟』についてお話を伺えればと思います。
まず、住宅営業というお仕事ですが、住宅は多くの人にとって“一生に一度”の高価な買い物です。
本書のタイトルにある“7000軒”というのはとてつもない数字のように思えますが、忙しい時期などは一日に何軒も売れたりするものなのでしょうか。
斉藤「一日に何軒も、ということはめったにないです。ただ、お客様は大体土日に住宅を見にいらっしゃるので、月曜とか日曜の夜は契約が集中しやすいですね。
契約には手付金が必要なので、特に月曜が多いです。土日に3件のお客様をご案内して、それが全部契約になることもあるので、
そういう意味では一日何軒も売れるということはあり得ます。ただ、それを毎日のようにできる人はなかなかいないでしょうね。
私の経験だと、一週間毎日違うお客様をご案内したことがありますが、その時でも契約になったのは7件中3件でした」
―本書で斉藤さんは“勝ち残る営業の掟”について書いていますが、
これは住宅販売に限らず営業職全般に応用できる内容のように思いました。
斉藤「私が扱っている商品がたまたま住宅だったというだけで、どんな営業でも役立つ内容だと思います。
ただ、私は“こういう商品の勧め方がいいよ”というノウハウ・テクニックを教えるのはあまり好きじゃないんですよ」
―確かに、ノウハウというよりは理念や哲学を書かれている印象を持ちました。
この本で斉藤さんが一番伝えたかったことはどのようなことだったのでしょうか。
斉藤「やはり、商品を勧める営業マンが本気になれっていうことですね。住宅営業の例でいうと、住宅を買うというのは、
お客様からしたら本気にならざるを得ない一大イベントです。それに対して、売り手側がただ売りたいだけ、
数字をあげたいだけっていうのはやめてほしいというのが訴えたいことです。確かに、営業についてみなさんが想像するのは、
“ノルマを達成するためにやっている”というものでしょう。
でも、この本で私が伝えたかったのはそういうことではなくて、
商品を勧める営業マン側が、お客様以上に本気にならないといけないということです」
―とはいえ、営業マンの多くがノルマに追われて数字ばかり気にしてしまいがちですが、
この状況についてはどのように思われますか?
斉藤「私もいち営業マンだった時は、一か月に何棟も売ること、たくさん売ることに情熱を持っていました。
売らない営業マンというのは、やる気がなかったり、サボっているんだとばかり思っていましたね。周りも同様で、売れる営業マンたちの会話を聞いていても、
“売れない営業マン=悪”という図式でした。
ただある時、そうじゃないんじゃないかと思いはじめたんです。というのも、売れない営業マンの方が一生懸命動いているケースって多いんですよ。
考えたら、彼らは私たちの会社のチラシを一生懸命配ってくれていたり、名刺を配ったりしていて、そういったことは全部種をまくことなんですよね。
売れる営業マンって、要は“刈り取り”がうまいということで、売れない営業マンが種をまいてくれたうえで成り立っている。
そう考えると、“売れない営業マン=悪”ではないんです。たまたま自分たちは刈り取りが上手なだけで、
売れない営業マンにもそのやり方を教えれば、
同じようにできるはずです。
つまり、教える側が下手なんですよ。それに気づいてから営業の見方が変わりましたね」
―ノルマというものは会社から課せられるものなので、営業マンが数字ばかり気にして仕事をしてしまうのは上司や
会社にも問題があると思われます。“ノルマ至上主義”の上司・会社に何か言いたいことはありますか?
斉藤「ノルマを達成しなくてもいいというわけではありませんが、それが全てではありません。
数字を残すことが全てになってしまうと、
上司の指導は小手先のテクニックや話法ばかりに偏ってしまいがちです。私は“営業力=人間力”だと思っています。
だから、まず人間を豊かにしてあげないことには、お客様に本気度が伝わらないと思っています。上に立つマネージャーや上司は、
営業スタッフの人間力アップのために何ができるのかを考えるべきです。
営業マン時代は、私も鏡を見てスマイルの練習をしながら、毎月10棟売れる力がつくなら悪魔に魂を売ってもいいと思っていましたよ。
だけど、よく考えたらそれはあくまでもこちらの事情であって、お客様のことを考えていないんですよね」
―斉藤さんは、26年間の営業マン・マネージャーのキャリアを通して約7000軒もの物件を売ったという実績をお持ちですが、印象に残っているエピソードがありましたら教えていただければと思います。
斉藤「マネージャー時代のことなのですが、当時の私のやり方は“とにかく俺のマネをすれば売れるんだ”というもので、
朝から晩まで部下に指示を与えて続けていました。
でも、まったく成績が上がらなかったんですよ。そんな時期、ある雪が降った日だったんですが、実家に帰ったんです。
ずっと帰っていなかったものだからおふくろが喜んでくれて、食事をしながらしゃべっていたんですよ。
その時、
私が話していたことといったら部下の愚痴ばかりだったんですね。
“俺の言う通りにやらないから売れないんだ”というような。そしたら、
ある時から返事がなくなって、ふとおふくろの顔を見たら、鬼のような顔をしていて、“出て行ってくれ”っていうんですよ。“あんたは日本一汚い上司だ”と。
“こんな雪の中を、あんたを信じて動いてくれてるのに、あんたはその人たちの悪口しか言わない、
そんな人間を育てた覚えはないから今すぐ出て行け”
って言われて雪の中に放り出されたんです。
それで、会社に戻ったんですけど、その時には他の営業部署はみんな帰ってしまった後だったんですけど、
私の部下たちだけが残っていたんです。
それを見た瞬間、自分は本当に情けない男だと思って涙が出てしまって、みんなに泣きながら謝りました。
“本当に申し訳なかった。今日からはみんなの好きにやってくれ、みんなが考えた通りに動いてくれ、責任は俺が持つ”と言ってね」
―お母様の一言で目が覚めたんですね。
斉藤「そうですね。でも、それまでがトップダウンの典型みたいなやり方でしたから、誰も信じないんですよ。
それでも、3日、
4日と経つうちに部下たちもだんだん信じるようになってくれたんですけど、そうなると本当に自分たちで考えて動かないといけないじゃないですか。
それで、1日の目標を組み立てて、どのお客様が一番契約に近いのかを考えて、持っていく資料も自分で考えて、
わからないことだけ私に聞くというやり方になったんですけど、それまでは月に1棟売るのを目標にしていた部署が、一人3棟も売れてしまったんです。
自分の言うとおりにすれば売れると言っているうちは全く売れず、個人個人に考えてやらせたら売れるようになった。
今までの自分はすごくおこがましいことをやっていたんだなと思いましたね。
営業マンだって一人一人違うわけで、
それに対して自分の考え方を押しつけていただけだったんです。一種のマニュアル営業ですよ。
この本ではマニュアル営業を否定しているんですけど、その時の体験が大きいです」
―他の営業とは違う、住宅営業ならではの難しさやおもしろさはどのようなところにあるとお考えですか?
斉藤「難しさでもありおもしろさでもあるんですけど、一番はお客様のご家族の生活や、人生観が見えてしまうところです。
家族といってもそれぞれ考え方が違いますから、それを営業マンがまとめていかないといけません。そこが難しいです」
―家族間で意見が分かれて、契約に至らないということもあるのでしょうか。
斉藤「あります。やっぱりご主人と奥様で意見が違うというのはよくある話です。
その時に、売れない営業マンっていうのは、
最後の決断をお客様に預けてしまうんです。それがお客様思いの営業マンだと勘違いしている奴が多い。
でも、お客様は住宅に関しては素人ですから、
どっちがいいかなんてわからないんですよ。
だから、最終的にはお互いの意見がぶつかって、夫婦ゲンカになってしまいます。
その後は当然、
“ちょっと冷却期間を置きたい”となるじゃないですか。そうなるともう買えなくなっちゃいますよね。
本当にお客様思いなら最後の決断をお客様に預けないですよ。どうなるかなんてわかっているんですから。
この本の中で“聞き上手”を否定していたりするのはそういう意味があります」
―最後の決断をお客様に預けないためにはどうすればいいのでしょうか?
斉藤「できる営業マンなら、最後の決断に至るまでに夫婦で意見が違うということはわかるはずです。
その状態で、“どれがいいですか?”
“どちらがいいですか?”などと聞くこと自体がいい加減なんです。意見が割れるに決まってるじゃないですか。
意見が分かれてきたなと感じた時点で、お客様を誘導してあげるのが営業マンです。
それをしないのは、私からしたら仕事を端折っている。
夫婦で意見が違うなら、それがわかった時点で、ご案内した家の様々な要素を出してあげて、
お互い納得できるように調整してあげられないといけないと思います」
―すごく難しそうですね。
斉藤「難しいですよ。でも、自分の兄弟が家を買うとなったらそこまでやるでしょう。他人だと思うから仕事を端折るんです。
自分の家族や恋人のためだったらできることを、お客様にできないのであれば、いくらお客さん思いの営業と言ってみたって、それはウソですよ。
営業マンの本気度はそこに表れます。
身内には当たり前のように本気を出せて、お金をいただいているお客様になぜできないのか。
この本で訴えたかったのはそういうことです」
―斉藤さんはいち営業マンとしてだけでなく、マネージャーとしても大きな実績を残されていますが、
斉藤さんが部下の営業マンを指導する際の方法を教えていただけますか。
斉藤「ある時は叱って、ある時は同じことを見過ごしたり聞こえないふりをすると、部下は混乱します。
その時の気分で叱る上司だなと思われるのは絶対避けなければいけないと思います。例えばキャリア10年の部下と新人がいたとして、
新人に対して叱ったことを10年目の人がやったとしたら、同じように叱らないといけない。叱り方は変えないといけませんけどね。
とにかく、部下を迷わせるようなことはしてはいけないと思います。だから、これは絶対許されないということだけ教えて、あとは流れに任せていますね」
―伸びる営業マンとそうでない営業マンにはどのような違いがあるのでしょうか。
斉藤「やはり吸収力だと思いますね。素直さと言ってもいいと思いますが、人の言うことを受け入れることができるかどうか。
例えば上司に言われたことに対して“上司と部下の関係だから言うんでしょ”とか“上下関係でそう言うしかないんでしょ”と思っちゃう奴はだめですね。
自分のために言ってくれているんだと受け取れる奴は伸びると思います。人の意見を聞いたうえで、“俺はこう思う”と、違う方向に動くのはいいんですよ。
ただ、そこで受け入れないという態度を取ったり、口答えすると、もう言ってもらえなくなってしまいます。まずは聞く態度を作って、
人の言うことを受け入れて、それから自分で考えた結論に従って行動すればいい。上司の言う通りに動けということじゃないんです。
せっかくなら言ってもらえた方が選択肢は広がるということで、それができる人が勝つと思います」
―契約が取れないと悩む若手にどのようなアドバイスをされていますか?
斉藤「“勝負は今月だけか?今年だけか?”と言いますね。自分のことを振り返ると、売れている時期のことで、今、
人に教えられることってあまりないんですよ。苦労していた時の方が、後で振り返るといろんなことを考えていたと思いますし、
財産になっています。だから、“今の苦しい時期は、後から絶対財産になるぞ”と言っています。今のお前の数字はあてにしていないから、
この苦しみや辛さから逃げないでいてくれればいいよ、と。それで、いつかこの経験を活かして、
部下や後輩にアドバイスしてくれれば十分に元は取れるから、とアドバイスしています」
―斉藤さんご自身は不調の時期をどう乗り越えていましたか?
斉藤「売れなくなるのって、結局は天狗になっていたということなんですよね。
お客様を選り好みして簡単に契約を取れそうなお客様を欲しがったりとか。
昔、テレフォンレディーっていう職種があったんです。
電話でセールスして、物件を探している方を営業マンに紹介する仕事なんですけど、
そこから契約に結びつくことはほとんどなかった。
当時、私はトップセールスでしたから、テレフォンレディーから来た紹介はいらないと言っていたんです。
そんなの他の営業マンに回してくれと。そんな時期に、調子を崩して売れなくなった時期があったんですけど、
当時の営業部長が私に見込み客ノートを持ってこいと言うんですよ。
それで持って行ったら“お前にこんないい物を持たせていても契約は生まれない。
今のお前の状態では、このノートに書いてある人がお客様だと思えないだろ”と言われて取り上げられてしまった。
確かにその通りでした。
そのノートさえあれば契約こそできなくても、電話したりできるじゃないですか。でも取り上げられてしまったから、
仕方なく電話帳を持ってきて飛び込みの電話セールスをするわけです。
一からやり直しですよね。見込み客との電話だと大体がおざなりな話になるんですけど、
初めて電話する方ですから、それこそ“今のお住まいに不満はありませんか?”というところから始めないといけません。
それで、
不満があるという方を訪問して、扱っている住宅のご説明をして、お客様が一度見てみたいとなったらご案内して、
契約に至るという、
シンプルな営業がまたできるようになったんです。当時の営業部長が見込み客ノートを取り上げなかったら、
私はずっとそれを使って楽な仕事をやって、
契約を取れなかったでしょうね。
私に対して本気で接してくれた上司だからやり直せたと思いますし、自分もそうありたいと思いますね」
―現在、斉藤さんは副社長という立場ですが、マネージャーの方にはどういった指導をされていますか?
斉藤「毎月、マネージャーを集めたミーティングがあるのですが、そこで指示しているのは部下に対する接し方です。
部下を育てようという態度ではなく、部下に育てられていることを自覚しろと話しています。よく、部下の面倒を見るのに1年かかりましたって言う上司がいますけど、
部下は上司を3日で見抜くぞと。
部下に対して本気で接して、みんなの話をきっちり聞いて、僕もみんなに育ててもらっているから、
みんなで一緒にがんばっていこうという姿勢が大事なんだと言っていますね」
―営業マンに最も必要とされる資質はどんなことだとお考えですか?
斉藤「何度も繰り返しますが、やはり本気になれるかどうかだと思います。本気になれなかったら、
何を言ってもそれは結局着飾った言葉であって、そんな態度ではお客様に申し訳ないですから」
―最後に、本書の読者となる全国の営業マンと営業マネージャーの方々それぞれにメッセージをいただければと思います。
斉藤「営業には重要なことが3つあると言われます。まずは“営業知識”、それをどう使うかという“営業技術”、最後に“営業態度”、
この3つです。
技術や知識っていうのはキャリアを積んだだけ上がっていくんですけど、それでも売れなくなる時期っていうのがある。
うちの会社の営業部もそうで、入社して5年くらいまではすごく伸びるんですけど、そこから徐々に下がってしまう。それはなぜかというと、
“営業態度”が崩れるからです。
この本は、その“営業態度”について書いています。20年、30年営業としてやっていくためにも“営業態度”
を崩さずやっていきましょうということですね。
売れる営業マンも売れない営業マンも、言っていること自体は変わらないですよ。
売れるか売れないかを分けるのはそこではなく“営業態度”なんです。
こう言えば売れるなんていう魔法の言葉なんて無いんですから。
接客中に知識や技術を使う場面なんてわずかなものです。
でも、態度は最初から最後までずっと使います。だから、そこを徹底してほしいですね。
マネージャーについては、とにかく一人でも部下を持ったら、
その部下を自分の子供を育てるくらいの気持ちであたることです。
部下は上司を簡単に見抜きます。
“言ってることとやってることが違うな”とか、部下は上司のことを見抜いているけど、
わからないふりをしてくれているんですよ。そこを勘違いするなといいたいですね」
斉藤孝安 プロフィール
1963年守谷市に生まれる。日本大学農獣医学部(現・生物資源科学部)卒業後、株式会社箕輪不動産入社。1990年同社史上最年少で次長に就任する。 1994年箕輪不動産グループからの独立により株式会社ハウスプラザを設立。初代営業部長を任される。1998年に常務、2007年に取締役副社長に就任。 街の不動産屋を日経MJ(2011年11月)の不動産仲介部門で全国28位になるまでに成長させ、 “城東の虎”の異名を取るようになる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)